コンパクトな三脚。ベルボン UTC-53Ⅱ AS

筆者は三脚はいろいろ持っていますが、原付スクーターのページを制作するにあたり三脚に悩んでいたところベルボン株式会社さんに協力を頂きました。

原付スクーターで撮影に行こう!-2
「原付スクーターで撮影に行こう!」 連載二回目は収納について紹介しましょう。 スクーターというと持って行ける荷物が少ないのでは?とか、しっかり撮るのに三脚を持って行くのが厳しいのでは?と聞かれます。また、カメラのような精密機器は振動に弱いか...

 

その中で、トップケースにも収まる小型三脚として提案頂いたのがこの「UTC-53Ⅱ AS」です。協力頂いたからこの記事を書いているわけではなく、実際に面白い機構をいろいろ持っているのでご紹介です。筆者はコンパクトな三脚もいくつか持っていますが、このUTC-53Ⅱ ASはかなり小さい。いや、単に収納スペースだけを見れば他にも小さい三脚はありますが、35cmの長さに縮める事ができ、伸ばせば最大1505mmまで伸びる驚きの伸縮性。エレベーター無しでも約130cmまで伸ばせます。しかもコミコミ1330gと軽い!
身長173cmの筆者で、さすがに目の高さでカメラを構えることはできませんが、ちょっとかがんだ高さにセットできます。288mmのローポジション撮影も可能。三脚が必要か必要でないか迷うような撮影行でも気軽に持ち出せます。

 

原付スクーターのページでも紹介しましたが、筆者が以前より愛用しているPeakDesignのEveryday Backpack (20L)の横に挿してもキレイに収まってしまいます。

さて、この三脚が面白いのはその収納方法。
単に足を縮めるのではなく、ロックを解除して脚の開きを180度反転させるもの。三脚部分が小さくても、どうしても雲台部分やエレベーター部分が飛び出してしまうものだけど、コレはスッキリすべてが中に収まります。自由雲台とクイックシューがついたままでです。
スクーターだけでなく通常の旅行鞄にも収納しやすい形状となります。これは面白いです。

 

脚部を反転させ、ヘッド部のロックパーツ(ハブ)を持ち上げて回して固定するおもしろい仕様。

そしてもう一つ面白い機構が「ウルトラロック」。通常三脚を伸ばす場合、各段ごとに複数のレバーやナットを緩めて1段ずつ伸ばしますが、この三脚は足の先端をひねるだけで伸縮できます。しかも全段を一気に。コレは面白い機構です。特殊な断面構造のパイプを採用することで全段を一気に締めることが可能になっています。伸縮調整も手を伸ばしやすい2段目で行えますし、少し緩めて縮めれば希望する高さに調整できます。使ってみると非常に便利です。

伸縮は、先端をひねるだけ。あとは好みの長さに一気に調整可能です。

と、機能が面白いだけで使い物にならなければ意味がありません。
UTC-53Ⅱ ASは軽量ですがカーボンとマグネシウムを採用し、強度もしっかり出しています。パイプも26mmからとまずまずの太さを持っています。

ミラーレス一眼ならよほど大きなレンズでなければ対応できる。この三脚ですべてがこなせるとは言わないけれど、コンパクトで実用できる高さまで伸びるのでメインとは別に持っていたい三脚だ。

最下段ではかなり細いパイプとなるため、見た目は華奢に見えます。が、強度はしっかりで、筆者が試した限りでは中判デジタルカメラのGFX 50RとGF32-64mmF4などと組み合わせても対応できました。ミラーレス一眼なら70-200mmF2.8相当クラスの大口径望遠ズームでもなんとかなるレベル。もちろんリモートスイッチなど、カメラを揺らさないための注意は必要ですが、それはどんな三脚でも一緒ですね。
高さの必要な撮影では中・大型の三脚を使うべきですが、気軽に持ち出してちゃんと使えるという点が大きなポイントです。太さが気になる方はもう少しパイプが太めなUTC-63 IIシリーズもラインナップに加わっているのでそちらを選択するのもありでしょう。

 

 

他には、セットされる自由雲台がアルカスイス互換のクイックシューとなっている点も筆者的にはGOOD!
筆者はすべてのカメラやレンズにアルカスイス互換のクイックシュープレートをつけており、ほぼすべての三脚にアルカスイス互換のクランプをつけていますので、これはありがたい。雲台はトルク調整があり、水平パンも独立して行えるので不満はないと思われますが、自分の好みのものに交換することもできますし、ベルボンのクイックシュー「QRAシステム」でそろえている人はややサイズはアップしますが別モデルのUTC-63 IIを選択することもできます。UTC-63 II は発売されたばかりの上位モデルで、アルカスイス互換の自由雲台を備えたUTC-63 II ASもラインナップされています。
ベルボンはアルカスイス互換のL型プレートも1種発売を開始していて、今後アルカスイス互換のクイックシューも標準採用していくのかユーザーとしてはちょっと気になるところですね。最近はレンズメーカーの三脚座もアルカスイス互換のものが増えており、L型プレートなどもアルカスイス互換で普及してきているので気になっているユーザーも多いのではないでしょうか。

ちなみにアルカスイス互換のクイックシューでは脱落防止のためのピンがついているものが多くありますが、筆者は横からスライドして装着することができないのでこのピンはいつも外しています。UTC-53Ⅱ ASに付属のシュープレートにもピンがついていますが、六角レンチで取り外し可能です。

ということで、面白いし、軽いし、小さいし、使える強度、とお勧め度の高い三脚です。
しっかりした三脚はもちろん別途持っていて欲しいのですが、しっかりした三脚とUTC-53Ⅱ ASはいい組み合わせだと筆者は思います。特に花など低い位置での撮影が多い人にはローポジション用に持っておくといいかもしれません。

タイトルとURLをコピーしました