ワタクシ、コロナに感染してしまい、一度治るもその後も肺炎のような症状を引きずってしまい、すっかり撮影もできず、動画の更新ペースも狂ってしまっていますが、それでも治っているタイミングなどでいろいろ撮っていました。
なかでもコイツです。EOS R1です。
メーカーからお借りしていろいろテストしておりました。できれば動画でも紹介、と思っていましたが、そんなこんなで動画にはできていないので返却したこのタイミングでちょっとご紹介。
EOS R1はキヤノンのミラーレス一眼のフラッグシップ機ですね。
以前発売されて動画でもレビューしたEOS R3も十分なレスポンスを持っていましたが、こちらはまたレベルが違いました。しかもレスポンスだけではなく、画質も。
視線入力の進化
まずは視線入力。なくてもいいと言う人もいるけれど、ワタシは好きな機能。ただ裸眼やコンタクトレンズなら良いのだけど、遠近両用のメガネだとうまく働かない。というのがEOS R3まで。
EOS R1、そして同時に発表されたEOS R5 MarkIIは、発表イベントの時にはそれほどでもなかったけれど、その後のファームアップ(発売前のね)で劇的に進化。遠近両用メガネでもちゃんと見たところを狙えるようになっていました。
センサーの性能や数の違いでEOS R3よりは進化してるとのことだったけど、んん?って感じだったのが、おぉ〜となりました。これはカメラマン誌で座談会をやったときにメーカーが持ってきたサンプル機で既にアップデートされており、一同驚いたものでした。
そのときは深くキャリブレーションする余裕はなかったけれど、今回貸出を受けて何度も何度もキャリブレーションを行い、撮影前にもかならずキャリブレーションを行っていました。
すると、ほぼ見たところにAFでのピントが来るようになりました。ただ遠近両用の場合、ファインダーにメガネのどの部分を着けるかで微妙に精度が変わります。メガネのレンズが累進度数になっていて屈折率が変わるためですね。なのでメガネを着ける場所を決めて安定させた方がより精度が上がります。でも、とりあえずラフに覗いてもほぼほぼ追ってくれるレベルになっています。
EOS R1は対象となる人物の顔を登録してトラッキングできるけど、画面内に何人も登録者がいれば誰かを優先してピントを合わせることになりますが、これに視線入力を組み合わせると的確に狙った人を追えます。これはスゴい。
そして同時に借りたRF70-200mm F2.8 L IS USM Zがまた優秀で、AFも速くファインダー像がとても安定。今回はバスケ撮影をたくさん行ったけど、ワタシの動きに楽についてくる組み合わせになっていました。
ちなみに、アクション優先のAFモードがあり、その中にバスケもあるけど、撮り慣れているワタシにはあまり意味はないものでした。でも、慣れてない人にはメチャ便利かと。
熱問題
普段ワタシがバスケを撮るときに使用する組み合わせはこれ。EOS R5(初代)にRF70-200mm F2.8 L IS USM。Zではない方の70-200mmです。
この組み合わせではハッキリ言ってワタシの被写体を追うペースには追いついてきません。バスケでは両目でコートを見て、次の動作を予測していれば対応できるのですが、EOS R1はレベルが違います。事前に対象人物を追い続けていなくても、シュートモーションの途中からレンズを向けてもぜんぜん間に合うレベル。桁違いのレスポンスです。
そしてこのEOS R5での組み合わせで問題になるのが熱。
画素数が多いのでトリミング耐性はありますが、連続して撮ったり、なにより早め早めに相手を捉えておく必要があるので常時AFでトラッキングさせているとセンサー部が熱くなります。ずっと動画撮影しているようなもんですからね。
で、普段はどうしているかというと、液晶をバリアングルで開いて、カメラの背面に電動ファンを装着してなるべく冷まします。でも試合数が多くなると追いつきません。外装を冷やしてもたかがしれてます。
熱くなるとAFもダレてきて速度も精度も落ちます。そして画質的にも高感度時のノイズが増えます。
なので試合数が多いときにはメモリーカードを抜いてカバーを開けたままにし、カメラをクリーニングモードにしてレンズを外してセンサーに直接ファンの風を当てるといった荒技に出ます。試合・インターバル・試合・インターバルのペースで数試合撮っているとそれでやっとです。センサー部はホカホカ。メモリーカードはチンチンに熱くなってます。夏が厳しいのですよ、特に。ちなみに、このときに温度警告は出ていません。その手前でのことです。
EOS R1は違います。
もちろんR1は画素数が少ないのでそもそもそこまで熱が発生しにくいのだけど、それでも長時間撮っていれば熱くなってくるもの。でも少し暖かいな、といったレベル。電動ファンを使わずに何試合撮っても熱ダレしません。しかもメモリーカード部が熱くなっていない。センサー部とメモリーカード部の熱を切り分けられるようにしているようで、それぞれの相乗効果で熱くなることを避けているようです。当然AFも速くノイズも少ないまま。
EOS R5 MarkIIではまだバスケ撮影は試していませんが、あちらはファン付きのグリップを使えば問題ないかと。EOS R1はファン無しで余裕の対応です。
画“質”がメチャクチャいい!
EOS R1に限らず、これまでのレフ機の1シリーズも他のEOSと比べて画質が高い。このEOS R1もやはり他のEOSとは別格。もちろん他メーカーの多くのカメラと比べても。
画質というと俗っぽい言い方になってしまうが、本当に“質”が高いのが撮ったデータを見てすぐに判るほどで、惚れ惚れします。肖像権関係があって作例的なものをここには載せられないのが残念。
まずローパスフィルターが他とは桁違いに良いものを使っているし、画素欠損のほとんど無い、あるいはまったくないセンサーのみを使っていると勝手に想像しているけど、同じ2400万画素クラスだからとゴッチャにしてはいけないカメラだ。それは高感度撮影したときに顕著に判るけど、低感度でもちゃんと差がある。ではノイズではなく精細さはどうか。これもまた1クラスも2クラスも上だ。
いや、でも高精細な描写のためにR5シリーズのような高画素モデルがあるんでしょ?といわれそうだけど、データの質を見る限り、このEOS R1のデータを4倍に膨らませるアップスケーリング処理をして、それを半分のサイズに縮小したら、EOS R5系よりもそのような細かい描写も上かもしれない。キヤノン純正のアップスケーリング処理もすごいし、Adobeのスーパー解像度でも相性は悪くない。
ワタシはデータをみてそう直感したけど、最新のEOS R1とR5 MarkIIでは比較できていない。でも、その比較を行ったことがあるT田氏によれば、やはりその傾向とのこと。
まぁ、値段がR5系の倍になるので いろいろとバランスで選ばなければならない事もあるだろうけど、カメラとしてはR1は抜きん出ている。
ちなみに、現在R1とガチンコのライバルとなる機種もテストしているが、R1の方がすべてにおいて上。もちろんワタシの撮り方とのマッチングもあるとは思うが、カメラに任せることを多くするほどR1の良さが際立つ。
R1はとかく報道寄りでレスポンス重視といわれるけれど、ポートレートとかでも優位に立つのではと思っています。しかも機械としての堅牢性も高いし。
問題は風景などを撮ってどこまで精細な描写と階調を引き出せるか、かな。そのうち機会があれば試してみたいと思っています。
ボディだけで100万円コースは簡単には買えない価格だけど、欲しいわぁ〜・・・☺️
あっ、そういえば今回テストでメカシャッターまったく使わなかったな 😅
ということで、ダラダラとテストメモでした 😅

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