GFX用 EFマウントコンバーター

 

2020年7月26日:更新

富士フイルムのGFX 50Rを自分の機材として導入したワタシですが、予算の都合もありレンズがまだ最低限必要なGF23mmF4とGF32-64mmF4の2本しかありません。そこで考えるのは今手元にあるほかのマウントのレンズを有効利用できないか、ということ。
最近はマウントの違いを変換するマウントコンバーター(マウントアダプター)がいろいろ出ており、電子接点をもつものならAFや電子絞りのコントロール、手ブレ補正が連動するようになります。
レンズを購入するよりは遙かに安価に、しかも複数のレンズも使えるようになるので便利ですが、注意ポイントもあります。

それは電子接点があってもカメラメーカー純正品でなければ動作保証がなく、またもし故障の原因になった場合にメーカー保証が受けられない可能性があること。そしてマウントの精度の問題でうまく装着できないレンズがあったり、ボディにスムーズに着けられなかったりするケースもあります。無理に装着すればレンズかボディのいずれかのマウントを壊してしまうこともあります。このようなリスクがあることを理解して使用する必要があります。
本来レンズはそのボディ用に設計されたものを使用するのがベストです。画質的にも動作的にもです。使ってみようという方はあくまでもそれを頭に入れて、自己責任で使用する必要があります。

そして今回ワタシが導入を考えていたのは35mmフィルムフルサイズ(135サイズ=以下35mmフルサイズ)用のレンズをセンサーが大きなGFXに装着するというもの。これはまた画質の面で使えるレンズと使えないレンズが出てきます。

レンズにはイメージサークルというものがあります。レンズは光を透過させ像をセンサー上に投影しますが、円形のレンズでは丸い像を投影します。この時の円の大きさがイメージサークルです。このイメージサークルがセンサーよりも大きくなければ像を記録できない部分ができてしまい、暗い影となります。

上の図で青い丸がイメージサークルです。35mmフルサイズとなるセンサー面積が黒い四角です。この状態であれば35mmフルサイズがイメージサークルに収まっているので四隅まで像を記録することができます。
でも、赤い四角のGFXのセンサーサイズは一部がイメージサークルからはみ出してしまいます。それでも黄色のエリアはそもそも35mmフルサイズの四隅をカバーするエリアですのでなんとかなります。問題はピンクの部分です。イメージサークル外になり、像を映すことができず、暗い影となって写ります。いわゆるケラレが発生します。

とはいえ、基本的にレンズは周辺ほど画質が悪く、イメージサークルがセンサーサイズぎりぎりでは高画質が得られないため、少し余裕を持たせて設計されています。また、最近は手ブレ補正機構を持ったレンズも多く、そのようなレンズはイメージサークルに大きく余裕を持たせているケースも多くあります。

つまり、うまくレンズを選べば35mmフルサイズ用のレンズがGFXでも使えてしまうのです。

 

焦点工房のEF-FG01

 

 

ワタシが試したのは焦点工房の EF-FG01( TECHARTのOEM品と思われるもの )と、KIPONの EFGFXAF EF-GFX AF の2つ。どちらも電子接点を持ち、キヤノンEFマウントのレンズを装着し、AFや絞りコントロールが行えるもの。
まずワタシが試したのは焦点工房の EF-FG01。知人からお借りしたものでした。
ただ使うことはできましたが、使用開始からエラーが発生していました。それでも一度認識できれば問題なく使用できました。でもでも、だんだん認識率が落ちてそのうち装着に抵抗を感じるようになりました。
よく見ると電子接点のピンが倒れるようになっていました。普段はちゃんと立っているのですが、レンズを装着する際に擦れながら回転の力が加わるとピンが傾いていました。伸縮は働いておりピン自体は曲がりませんが、根元で傾いてしまうのです。悪化させたくないのでそこで使用を中止しました。接点部分を見ると金属のピンの周りが金属で囲まれており、その囲んでいる金属が柔らかいために抵抗を受けると曲がってしまうようです。キヤノンの純正レンズなら問題ないようですが、社外レンズは対応レンズリストに入っていてもこのピンを攻撃するようです。
別の知人にこの話をしたら、その別の知人のものにも同じような傾きが出始めていました。
ただ焦点工房の EF-FG01はそこだけが気になるポイントで、レンズ装着のフィール、ボディ側装着のフィールはよく、マウントの精度はかなり高いと思われかなりの好印象。レンズをよく選んで優しく装着すればピンを傷めることはないかもしれません。でもタムロンやシグマのレンズもいろいろ試したいワタシにはちょっと不安材料に・・・。キヤノンの純正レンズのみを使用するならこちらの方がむしろ安心ともいえるでしょう。

追記:
動作や装着にはまったく問題ありませんが、キヤノンのTS-E90mmL、TS-E135mmLを使用した際、設定可能な絞りの内、中間あたりのf8~22では1/3段設定が強制的に1/2段になってしまいます。これは今後のファームアップで修正されると思われますが、上記レンズに限ってはそのような動作がみられます。ただし露出制御はその値に連動しておりAE撮影も問題なく可能です。

 

KIPONの EF-GFX AF

 

 

そしてあとから発売されたのがKIPONのEF-GFX AF。
購入時にネットショップの画像を拡大して見てみると、ピンの周りは強化プラスチックになっており、曲がる感じはありません。しかし、曲がらないということは、もし精度に問題があった場合にはレンズ側を攻撃することになります。レンズが壊れる方が高くつきます。ですので購入はある意味“賭け”となりました。人柱的な購入となりました(笑)

ピンの周りには隙間はほとんど無く強化プラスチック。問題があればピンが折れるか、レンズを攻撃する可能性もあるが、ここまで試したレンズでは接点は問題なく接触している。

購入してみると、KIPONのものは接点の攻撃はありませんでした。非常にスムーズに接点は接触します。ボディ側もレンズ側も。これは良い点。

ただKIPONはボディ側のマウント精度はいいのですが、レンズ側が微妙。もしかするとEFマウントの規格きっちりに作ってあってアソビが少ないのか、キヤノンの純正レンズはスムーズに入りますが、社外レンズの一部はかなりしっかり押しつけてやらないと装着しにくいものがあります。タムロンよりもシグマのレンズで装着の渋いものが多くありました。ただしどこかを攻撃して擦っている跡はついていませんし接点も攻撃していないので、慎重にはめれば大丈夫な感じです。とはいえ、どこかにストレスがかかっていて、いつかどこかがパックリ割れる可能性だってありますのでリスクは覚悟する必要があります。


また、KIPONのは前後のキャップが付属していませんでした。
ですのでキヤノンEF用とGFレンズ用のキャップを別途購入。電子接点もありますのでつけておきたいものです。

 

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使えたレンズは・・・?

手持ちのレンズをすべて試したわけではなく、あくまでもすぐに使いたいいくつかのレンズだけですが試してみました。イメージサークルは絞りを絞ると少し大きくなりますので、絞ることで画質的に対応できる場合もありますので、絞りを変えてテストしています。
またGFXを35mmフォーマットモードで使用すればどのレンズでもとりあえず画的には問題なく使用できますが、ここでのテストはあくまでもGFXフォーマット(4:3のオリジナル比率のみ)で使用する場合の評価です。画質が安定するかは上の図のピンクのエリアで判断しており、中央や黄色の部分では基本的に問題なく、レンズ本来の性能となります。またあくまでも解像感を見ており、周辺光量の低下は多かれ少なかれ発生しますので、気になる方はRAWで撮影して後で補正する必要があります。
ここにリストしているものは、あくまでもワタシ個人の判断で、アダプターメーカーが対応としているものとは結果が異なるかもしれません。

 

■キヤノン
EF100mm F2.8Lマクロ IS USM f5.6でほぼ安定。わずかに四隅に影響残る
EF400mm F2.8L IS III USM ケラレ
EF400mm F2.8L IS II USM f5.6でほぼ安定。ただし四隅にわずかにケラレの影響残る。f16でケラレの影響もほぼ気にならなくなり、画質も安定。
EF400mm F4 DO IS II USM 四隅の光量・解像低下はあるが、f4開放からなんとか使用可。周辺はf5.6でほぼ安定。f8で完全安定。
EF24-105mm F4L IS USM ケラレ
EF24-105mm F4L IS II USM ケラレ
EF24-105mm F3.5-5.6 IS STM ケラレ
TS-E90mm F2.8L マクロ ○(アオリ量はフルサイズ使用時よりはやや少なくなる)
TS-E135mm F2.8L マクロ ○(アオリ量はフルサイズ使用時よりはやや少なくなる)
■シグマ
14mm F1.8 DG HSM – ART ケラレ
24mm F1.4 DG HSM – ART ケラレ
28mm F1.8 EX DG ASPHERICAL
MACRO
f11でほぼ安定するが、ピンクエリアは絞っても安定せず。
50mm F1.4 DG HSM – ART f5.6でほぼ安定するが、四隅のごく端のみ絞っても安定せず。
50mm F1.4 EX DG HSM f5.6でほぼ安定するが、四隅のごく端のみ絞っても安定せず。
70mm F2.8 DG MACRO – ART f4でもなんとか。f5.6で安定するが、遠景では周辺にごくわずかに影響残る。
85mm F1.4 DG HSM – ART f4でもなんとか。f5.6で安定
105mm F1.4 DG HSM – ART f4でもなんとか。f5.6で安定
135mm F1.8 DG HSM – ART f4で安定
12-24mm F4 DG HSM – ART 12~16mmまではケラレあり。17mmでケラレはほぼ無くなるが、近距離時にケラレる。近距離以外は17mmでも影響なし。画質はf8でほぼ安定。f16~22で安定。画質安定はピント位置による差が大きい。
24-70mm F2.8 DG OS HSM – ART ケラレ
24-105mm F4 DG OS HSM – ART ケラレ
100-400mm F5-6.3 DG OS HSM
– Contemporary
200mm以下ケラレ
200~400mm f5.6でなんとか。f8で安定するも四隅にケラレの影響あり
60-600mmF4.5-6.3 – Sports ケラレ。
■タムロン
17-35mmF2.8-4(A037) 17~20mm ケラレ
24~28mm ケラレ僅かに残るもf8でほぼ安定
35mm f5.6でほぼ安定、f8で安定
SP35mmF1.8(F012) f5.6で安定
SP85mmF1.8(F016) f5.6でほぼ安定するも、四隅にケラレの影響残る
SP 90mm F2.8 Di MACRO 1:1 VC
USD(F017)
四隅以外はf5.6でほぼ安定。四隅はf22でほぼ安定。僅かにケラレの影響残る
旧SP90mmF2.8マクロ(F004) f5.6でほぼ安定。僅かにケラレの影響残る
(AFカメラエラーで使用不可。MF設定でのみ動作)
SP 70-200mmF2.8 G2 (A025) ケラレ
旧SP70-200mm F2.8 (A009) ケラレ
100-400mmF4.5-6.3 (A035) ケラレ

 

ケラレとなっているものでも、2:3比率では実用できるものもあります。
このテストはほかのレンズでもやっていきますので、後日更新いたします。
気になる方は時々この記事をチェックしてみてください(その際はブラウザでリロードを行ってください)。あるいは別記事として更新記事を掲載する場合もあります。その場合はリンクを下部に掲載します。

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