原付スクーターで撮影に行こう!-1

2020年5月12日:追記

どこかに撮影に行く際、皆さんはどのような交通手段で撮影地に向かうのでしょう?重い機材をたくさん持って行くなら車、という方が多いでしょう。また、スナップなど歩くことがベースとなるジャンルでは電車などの公共交通機関で現地まで行って歩く、という方も多いでしょう。筆者もそうです。筆者の場合は基本は車で、車中泊をすることもあります。スナップの場合は電車も使いますが、車がベースになっています。では車だけかと聞かれればノーです。

筆者が撮影の“足”として便利に使っているのが実は原付スクーターです。なぜ?と聞かれることもありますが、その理由と利用のポイント、便利グッズなどをこれから複数回に分けて紹介していきましょう。

なお、読み進めて実践してみようという方は「安全」を最大のポイントとしてください。
撮影のために命を失ってしまっては元も子もありません。安全第一でまいりましょう!

 

追記: 注:「原付」表記について
「原付」と称されるオートバイには50cc以下の「原付1種」と「50cc超~125cc以下の「原付2種」があります。本記事ではまとめて「原付」と表記しています。運転免許証に「原付」と表記されている場合は「原付1種」で、普通自動車の免許に付帯するのも「原付1種」です。「原付2種」の車両の運転には小型二輪以上の免許が必要になります。

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自転車以上、クルマ未満

筆者が原付スクーターを利用する理由の一つ目は、その手軽さ。筆者も車に乗りますし、1200ccの大排気量の大型バイクも乗っています。でもそれではダメなのです。小回りが利かないからです。遠方の現場まで向かうなら車や大型バイクは便利です。でも、現地に着いてから細かく動くなら原付スクーターの方が動きやすいのです。
だったらそれほど遠くない場所なら自転車でいいじゃないか、と言われるかもしれません。
でも自転車では体力を使い、撮影のための集中力を保てなくなってしまうことがあります。もちろんサイクリングとしての楽しみは別です。あくまでも撮影を目的とした移動手段としては自転車では楽に移動できる距離が近くなってしまいます。

この両方のメリットが得られるのが原付スクーターです。数百キロといった遠距離の移動には向かないと思われますが、ある程度の遠距離でも楽に移動できます。

電車で移動中に「あそこは面白そう!」という場所を見かけることは多々あります。が、距離的に自転車では厳しいし、車は停められそうもない。そんなときには原付スクーターが威力を発揮。この車窓シーンでは堰に白鷺が集まっていて、400~500mm程度で撮れそう。でもこの場所はウチからは少し離れていて車を止める場所はない。となると原付スクーターですね!

筆者は地元から都内に移動する際に電車も利用しますが、その車窓から「あっ、あそこ良さそう!」という場所を目にします。でも自宅から自転車で行くには遠い。かといって車では小回りが利かず現地を探しにくいし、道が細い場所だったりすると車を停める場所がありません。原付スクーターがちょうど良いのです。

どれほどの距離まで原付スクーターでカバーできるかは、それぞれの技量や体力などによっても変わってきます。これは車も一緒ですね。
筆者の場合は70kmくらい離れた場所でも原付スクーターで行くことがあります。
写真教室の生徒さんにも何人か原付スクーターを利用されている方もおられ、撮影実習現場まで20kmくらいあっても原付スクーターで来られる方もいます。
はじめから無理をせず、慣れていけば多少長距離でも楽に移動できるようになるでしょう。まずは安全に、が重要なポイント。

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人気スポットに近づきやすい

筆者が原付スクーターを利用するもう一つの理由が人気スポットへのアクセスの良さです。
桜や紅葉の人気スポット、菜の花やコスモスなどの花畑など、良い撮影ポイントには人が集まります。撮影を目的としない観光客もたくさん来るので、車では駐車場に入れないこともあります。今シーズン、桜の名所で駐車場待ちをした読者の方も多かったのでは?
筆者の自宅の近くにも桜の名所となっている公園がありますが、シーズンの週末は車では行く気がしません。駐車場の入場待ちで長い車の列ができているからです。
大型バイクも車と一緒に待たされていることが多くあります。車格の大きな大型バイクは2台で車1台分のスペースが必要なため、車と一緒に待たされることがほとんどです。

 

筆者の地元には桜の名所となっている大きめの公園がありますが、開花すると駐車場は長蛇の列。車は数時間待つこともあります。でも、自転車や原付スクーターはスルーパス(笑)

 

でも原付スクーターは違います。小柄な原付スクーターなら自転車と一緒に並ばずにすんなり入れたりします。この桜の撮影のためだけでも原付スクーターを利用する価値は十二分にあると筆者は考えています。

車が必要ない都内在住のときも、また現在郊外に住んで車社会のエリアに住んでいても、小型のオートバイは非常に便利な移動手段になってくれるのです。

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車よりも停めやすい

撮影スポットが管理された公園なら駐車場もあるでしょうから車でもまだいいかもしれません。しかし、特に管理されていない一般の住宅街や山里などであれば駐車場がありません。ポイントの近くに都合良くコインパーキングがあれば良いのですがない場合も多々あります。
さらに、撮影エリアが広い場合は1カ所に車を停めて歩くには大変で、移動しては撮りたい、ということもあるでしょう。

 

交通ルールとマナーを守る限り、原付スクーターは停車しやすい。長時間は迷惑だけど、短時間なら停められる場所も多いはず。

そういうときに原付スクーターならどこにでも停められます。
もちろん交通ルールに反する停め方や、他の人や車などに迷惑をかけるような停め方はNGです。でも広めの歩道の端だったり、農道の脇だったりと、原付スクーターなら停められる場所はたくさんあります。もちろん何十人もが同じ場所に集中すれば迷惑にもなりますから、そこはモラルとして考える必要はありますが、自分だけのスポットを見つけた場合には迷惑をかけずに停めることができます。
筆者は住宅街などでの桜の撮影も行いますので、ちょっと探しては停めて、といった撮影には原付スクーターは非常に便利なのです。

 

維持費が安く、保険も車の保険+αでカバーできる。

ここまで「原付スクーター」とあえて書いていますが、それには理由があります。
オートバイが好きな人ならもっと排気量の大きなスクーターに乗られているかもしれません。もちろんそのような方はお持ちのスクーターを利用すれば良いですし、すでに利用されているでしょう。

問題は現在お持ちでない方です。
原付スクーターは、50cc以下なら普通自動車免許で乗ることもできます。もちろん試験も簡単な原付免許で乗れます。
筆者がお勧めしたいのは125ccの原付スクーターです。普通自動車免許では運転することはできませんが、面倒な二段階右折が必要ありませんし、制限速度も60km/hまでとなるので流れに乗って走りやすくなります。125ccは小型二輪免許(普通自動二輪小型限定免許)が必要になりますが、これも簡単に免許を取ることができます。特にAT限定の小型二輪免許は最短2日で免許が取れます。

50cc、125ccいずれの場合も車検はないので維持費は非常に安く、税金も安く済みます。燃費もよく、1回の満タンでかなりの距離を走ることができます。

 

すでに車を所有している人であれば、任意保険はオプション追加で安価にカバーできます。原付特約、とか、ファミリーバイク特約などの名称になっていて、保険会社各社に設定されています。

また自動車を所有している人であれば、任意保険も原付バイクならオプション追加で安くカバーすることができます。どこの保険会社も「原付特約」などがあり、わずかな追加料金で原付バイクもカバーできるようになります。

このように原付スクーターにはコスト面でのメリットもあるのです。

 

 

スクータータイプが撮影には便利

さて、原付バイクがコスト面で有利なことは分かりましたが、次はタイプです。
オートバイにはいろいろなタイプがありますが、撮影を目的とするなら運転が楽で、停めたり走ったりの繰り返しがしやすく、また荷物がある程度積めるものが有利です。となるとスクータータイプとなります。

筆者が現在所有しているスクーター。すでに型遅れのモデル。標準の収納スペースは大きいのですが、サスペンション(バネ)が硬く乗り心地はあまり良いとはいえません。オプション等に関しては次回以降で紹介します。

※注:上記のリードの乗り心地について記載しておりましたが、サスペンションの問題ではなく、シートが非常に堅いようです。シートに低反発ウレタンを敷くと、乗り心地もライディングフィールもとても良くなりました。

 

スクーターなら前傾姿勢ではありませんから運転は楽ですし、スッと道路脇に停めて確認しやすいです(走りながら周りを確認するのは危険ですので避けましょう)。また、ヘルメットを収納できるスペースを持っているものがほとんどで荷物も積みやすいのです。実際には収納スペースを追加することも推奨しますが、それでも標準の収納スペースがある方がより多くの荷物を持っていくことができます。

多くのメーカーではこのような通常の二輪タイプをラインナップしていますが、現在筆者が一番お勧めしたいのは前輪が2つある3輪バイクです。ヤマハのトリシティが代表格で、125ccのモデルがラインナップされています(普通自動二輪免許が必要ですが高速道路も走行できる155ccモデルもあります)。

トリシティは前輪が2輪の3輪バイク。乗り心地がよく安全性も高く、オススメのモデル(展示車のため一部のパーツは外されています:掲載許可済)。これは筆者がショップで迷った昨年モデル。125ccと155ccのタイプがあります。本体のみの収納は大きくはありませんが、小型二輪免許以上をお持ちなら断然お勧めです。 https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/lineup/tricity/

筆者が購入したモデルは荷物の収納スペースは原付スクーターの中では大きめで良いのですが、サスペンション(バネ)が硬く乗り心地は良くはありませんし、普通の二輪タイプなので濡れた路面では滑りやすくなりますが、トリシティは乗り心地もよく、カーブも安定して走れ、タイヤが多い分濡れた路面でも安全と、お勧めです。

 

 

現行モデルはLEDヘッドライトなど最新装備。ABS付きモデルはより安全性は高い。

ヤマハ発動機 Web= https://www.yamaha-motor.co.jp/

 

ということで、今回は原付スクーターのメリットと、撮影に適したモデルの話でした。
次回は荷物の積載、収納についてお話しましょう。特に三脚などの扱いが気になるところかもしれません。

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